京都日記(第103回全日本剣道演武大会)
京都日記第1日
(H19.5.2)
12時広島を出発し,山陽道で京都に向かう。連休によるラッシュを心配していたが,4時半頃には京都南インターチェンジに到着する。
市内を通過するのに時間を要したが,それでも5時には「八起庵」で食事をする。鳥会席を看板に掲げるだけあって,工夫を凝らされた料理に舌鼓を打つ。あっという間に1時間半が過ぎ,今回の宿舎御殿荘に入る。
今夜からご一緒させていただく埼玉のS先生とビールを飲みながらお話しする。野間道場の歴史や昇段審査のことなどが話題に上る。また,日頃どのような稽古を行っているかについて話す。伺うと,S先生が本格的に剣道に取り組まれたのは,ご子息と共に40歳になってからだとのこと。その熱心さに頭が下がる。
11時になり,明日の稽古に備えて休むことにする。
よーし,明日は朝稽古のあと個人試合だ!!
しかしなぜだか緊張感のない私。
こんなことでいいのか!?


京都日記第2日 「痛っ!!」
(H19.5.3)
5時過ぎに起床。新聞を読んで洗面を済ませる。6時半から稽古だというのに6時25分頃武道センターに到着すると,すでに全剣連ご挨拶が始まっており,急いで場所を見つけて座る。今朝はまだ参加者が少なく,稽古するには好都合である。しかし,急いでいたため準備運動をおろそかにしていたことが,後に今回の京都大会を大変なことにしてしまう。
この日は4人の先生にお願いすることができたが,東京のK先生からは,「デバリさん,構えたときに小手がデバってちゃだめだよ」と指摘を受ける。おもろい。
ところが稽古を待って並んでいる間に,突然鈍い痛みに襲われる。首から肩にかけて沈んでいくような痛みを感じる。以前交通事故にあったときに,翌日感じた痛みと似ている。理由はよくわからないが,急に稽古したことが原因であると考えられる。この痛みのため,京都大会のあいだじゅう首に湿布を貼ることとなる。だんだんと我慢できないくらいの激しさになるが,どうすることもできずそのまま稽古を続ける。
宿に戻って朝食をとり,試合用の道着袴に着替える。東29番,お相手は広島県のご出身で,名門A芸高校の卒業生である。小手を狙ったところ,面を打たれる。そのまま時間となる。しかし思い切った面を打てたので,去年よりは進歩したことにしておこう。あとで憲ちゃん先輩が撮ってくれたビデオを見ると,やはり足の動きに課題があることがわかる。京都でわかったことは,高段者はバタバタしていないということ。構える前に気持ちをつくることも大切。
例年通りに河道屋養老で試合後の昼食をとり,武徳殿横の特設テントで販売されている試合の写真を購入する。しかしこの写真,ずいぶん値段が高い気もするが,特に買わない人もいるだろうし,その分の経費も織り込まれているのだろう。
その後憲ちゃん先輩の立ち会いをビデオに撮り,帰りに門のところでプレジデント範士とお話しさせていただく。憲ちゃん先輩の立ち会いを褒めておられました。
宿に戻り食事に繰り出す。今夜はお好み焼き。広島から来たことを告げると,店の方から広島のお好み焼きについていろいろと質問される。しかし広島では「広島焼き」とは言わないので,なぜか違和感を感じる。宿に戻り,おとなしく寝る。


京都日記第3日 「錦市場でお買い物」
(H19.5.4)
5時半起床。寝違えたような首の痛みは全く引かず。その痛みが首の周りから肩にかけて広がっている。
6時過ぎには宿を出発して朝稽古へ。最初奥の方に面をおいて準備を始めるが,入り口に近い反対方向に浅見先生がお出ましになる。いそいそと面を持って異動。運良く1番にかかることができたが,稽古は短時間で終わる。昨年はもっと気の盛り上がりがあったように思うが,今年は稽古不足が露呈して,ポンポン打たれて終了してしまう。うーん,残念。
今朝は参加者も多く,3人の先生に稽古をお願いしたところで7時10分(八段にかかることができる稽古の終了まであと5分)になる。
面を取り,宿へと戻る。New York。
朝食のあと,同宿のS先生の試合をビデオに収める。
武徳殿周辺の出店でいくつか買い物をする。ここで「剣道時代」の体育とスポーツ出版社から出ている堀籠敬蔵著「日本剣道形考」を見つける。今年の四月に発売されたばかりで,まだ新しい本である。以前都会の先輩から同じ出版社の石原忠美剣道範士講演録「活人剣・殺人剣と人間形成」を頂いていたので,そのお返しにお土産として購入する。ついでと言っては何ですが,「マニアック」mini98さんの分も買う。
宿へ戻り,本日がチェックアウトのS先生をお見送り。今年もお世話になりました。
再び武徳殿へ行き,全日本選手権者大阪I先生の立ち会いをビデオに収める。
昼飯に憲ちゃん先輩と熊野神社近くの「十両」でヒレカツ定食を食べたあと,電車で四条河原町へと向かう。「浅見の独り言」で紹介されていた錦市場へ行き,京都のお買い物。う巻き(玉子焼きの中にウナギが入っていてうまい),佃煮(なぜか商品名は「おやじ泣かせ」),番茶などを買う。店先には立ち食い用に筍の天ぷらやマグロ醤油漬けの串などが美味しそうに売られており,どんどん買ってどんどん食べる。マグロの醤油漬けは,見た感じHawaiiのポキに似ていて期待したが,ごま油は入っておらず少々拍子抜け。しかしこれはこれで美味かった。それにしても通路が狭い上に,人出が異常なくらいに多く,進むのにさえ時間がかかってしまう。
その後宿に帰り,近くのスーパーで買った惣菜と例の「う巻き」などで夕食を取る。いかん,またまたmini98さんに「グルメ旅ではないのか!」指摘されてしまいそうである。

明日は剣道頑張ろっと。


京都日記第4日 「さらば京都」
(H19.5.5)
さて,首の痛みが治まらず,後ろ側全体を寝違えたような鈍い痛みが覆い,気分も沈み気味である。

しかし今朝は最後の朝稽古,気分を変えて会場へと宿を出る。参加者はさほど多いとは感じなかったが,それでも3人の先生に稽古をお願いしたところで7時過ぎとなる。あと一人お願いできたかもしれないという微妙な時間ではあったが,面を外して2階観覧席へ。ここで以後の稽古を見学する。
本日は教士八段,範士八段の試合が行われるためか先生方の人数は昨日までとは若干の多いように感じられた。そう言えば,八段は中央に背中合わせに着座するのであるが,今朝は座りきれない先生方もおられたようで,横を通り過ぎたとき,おそらく若手八段の先生方であろうか「俺たち,掛かっていっちゃダメなの?」という声が聞こえてきた。
稽古を見ながら感じたことは,七段は力強く,八段は鋭いということである。(このあたりのことをマニアックに語れないところが歯痒いのであります。来年こそマニアックな方々とご一緒したいものであります。)

宿に戻り朝食。これまで通り二階で頂けるのかと思っていると,牛乳を一杯飲んだところで急に一階へと変更になる。給仕される方も一人でてんてこ舞いされており,なんだかバタバタとした朝食となる。

武徳殿では八段の試合が行われており,少しでも拝見したかったのであるが,荷造りをしたりチェックアウトの支払いを済ませているうちに出発の時間となってしまう。

今回は自分が超えるべき壁(どのように超えたらよいかとか,超えられるかどうかは別問題ですが・・・)を認識できた京都大会であった。

また来年,ここに戻ってきたい。


武徳殿にて
5月3日
試合中の事務局長。
審判員(副審)は,大阪体育大学の作道範士でありました。

ご覧のように西の部(第2試合会場)では藤原範士が主審を務めておられ,貴重なツーショット(笑)であります。
武徳殿の試合では審判旗を使いませんが,藤原範士の指先は試合の緊張感を伝えるかのように終始ピンと伸ばされておりました。


(2006/5/14)
 事務局長のつぶやき
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