ランエボも10代目となり,限定車ではなくカタログモデルとなりました。それまでの名機4G63からアルミブロックの4B11へとエンジンも変更となりました。ボディのベースはギャランフォルティスとなり,大きく重くなりました。また,衝突安全性や快適装備も車重の増加につながりました。

 EVOⅥでWRCへのグループAでの参戦も終わりました。そのため,EVOⅦからはグループNや全日本ラリー,スーパー耐久,ジムカーナなどへ活躍の場がかわりました。そのため,競技ベースのRSはラインナップされましたが,GTカー的な位置づけとなりました。長くなったホイールベースをカバーするため,ACDが搭載され,それまでのAYCとの組み合わせでより曲がりやすくなりました。

 2007年に発売されたEVOⅩはACDやAYC,ESCを統合制御したS-AWCへ進化し,6速DCTのTC-SSTが搭載され,誰でもがクルマの性能を出し切ることができるようになりました。先端装備と快適装備によって価格も1ランク上がってしまい,なかなか手が出にくくなった点も今から考えると失敗だったと思います。

 7年間で約10,000台が生産されたEVOⅩでしたが,2014年夏,モータースポーツベースのRSが生産中止され,2014年度でのTC-SSTの生産が発表されました。5MTについては継続して生産されるということでしたが,約10,000台の8割以上がTC-SSTでしたから,ECOカーが主流になった今の時代には,メーカーにとって重荷になったということでしょう。TC-SSTの生産が終わるとほぼ同時にEVOⅩの生産中止が発表されました。

 普通であれば,お買い得な装備を付けた限定車を生産して幕を引くところですが,三菱も最後に意地を見せ,4B11にナトリウム封入バルブを取り付けるなど,ファインチューンを施したファイナルエディションを1,000台限定で生産し,23年にわたるランエボの歴史に幕を引きました。ハイパフォーマンスパッケージに標準のフロント・ツーピースローター,アイバッハ製スプリング,ビルシュタイン製ショック,こちらもオプションだったレザーコンビシート,BBS鍛造アルミ+ハイパフォーマンスタイヤと走りに関する部分はすべて装着しました。それにより,車両価格は税込みで428万円と高価になりましたが,十分に満足できる内容となったため,かなり無理をして購入しました。

 思ったよりも早い納車となり金策に苦労しましたが,9月8日シリアルナンバー「JP0036」の赤黒ツートンのファイナルエディションが納車されました。ディーラーオプションで三菱電機製のナビを取り付けました。納車後,ECT車載器とHKS製のOBD-LINKを取り付けました。補助メータを取り付けるのは面倒で高くつきます。とりあえずブースト計と水温計をとも思いましたが,OBD-LINKを使うとタブレットにそれらを表示をすることができます。他にもスロットル開度やAF補正,その他いろいろなデータを表示することができます。

 モバイルルータを使えば,インターネットやメールなども使用することができ便利です。納車時に標準のBBSホイールをENKEI RP01の19inに交換しました。タイヤはNITTTO NT555ですからグリップはそれなりですが,それほどとばすことはありませんし,タイヤライフも若干いいと思います。

 現在は慣らし中のため,フルスロットルを与えることはできませんが,4G63に比べるとスムーズに回ります。音や振動もEVOⅤに比べると静かでマイルドです。大きく,重くなったため,身のこなしはEVOⅤの方が俊敏ですが,安定感はファイナルエディションが遙かに上です。安心して飛ばせるファイナルエディション,緊張感はありますが駆っているという実感が得られるEVOⅤといったところでしょう。個人的には,EVOⅤのスリリングでシャープな操縦性が好きですが,私の腕であればファイナルエディションの方が安全にタイムを削ることができるでしょう。

 実際,S-AWCのブレーキ制御を考えると制限速度内で走っている限りは,ステアリングを切った分だけ曲がってくれます。ブレーキを使ってきっかけをつくることなく,すごいスピードでコーナーをクリアするのは異次元の感覚です。

追加メーターのかわりにHKS OBDlinkを取り付け,Bluetoothでタブレットにデータを表示しています。

納車前にディラーで撮影。保護フィルムが貼ってありました。

純正オプションのスカッフプレートです。ノーマルでは何も付いていないのに驚きました。

現在の仕様は以上です。いつもであればマフラー交換くらいはしますが,お金がないのと適合マフラーが少ないためしばらくは様子を見ます。

LANCER EVOLUTION FINAL EDITION
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長年使われてきた4G63から4B11になりました。車重が重くなりましたが,下からトルクが出ています。

EVOⅤで使っていたラリーアート製のジュラコンシフトノブを取り付けました。

マルチディスプレイのスタート表示は,ファイナルエディション独自のものです。

ホイールは純正のBBSを外し,19インチのENKEI RPF1に交換しました。

このアングルはブリスターフェンダーの膨らみがよく分かり,お気に入りです。

写真から分かるように,ホイールベースと比較して前後のオーバーハングが短くなっています。

トランクに付けられた「FINAL EDITION」のエンブレムです。

純正で装着されていたBBS鍛造アルミホイールです。バルブがちょっとショボいです。

機種変更して無線LANで使っていたタブレットを使っています。

OBDから信号を拾うレーダー探知機を取り付けました。待ち受けでは,いろいろ表示できます。