09・遠心力が引力に誤解を作る
 

   遠心力で誤解
    回すバケツの水がこぼれ落ちないのはなぜ?
 
   引力でも誤解
    地球と月が引力で接近衝突しないのはなぜ?

 

にかに乗って、目を閉じた人が感じることのできる動きは、新しい変化する動きです。等速直進中や静止中は何も感じられません。

新しい力が 作用した方向の反対に体が動き、人は体が動いた方向に外力を感ます。普通は「作用の反動を感じている」と言うのですが、、円運動に限っては、外向きの作用が起きている と思い違いします。(多くは下の「疑問」が原因です。

《作用とは 働きかけ のことですね。》
※二重カッコ 《》 は 影の声。

2艘のボートに乗り分けて 片方が相手を押すと自分も後ろに動きます。これを反作用と呼びますが、反作用は反動とも呼ばれることがあります。

しかし、上記の場合は、反作用での反動ではありません。反対向きの作用は生じていないからです。以前の作用が残った いわゆる慣性力でもありません。

「新しいが作用した方向の、反対に体が動いた」のではありません。「新しいの作用の伝わりが一瞬ほど後になっている」からです。

それゆえ 人は 居場所と比べて 僅かに遅れて動いていると理解するのが正解です。

遠心力は外向きのと感じます。よって 実際に作用しているのは内向きの向心力だ、自分には遅れて伝わっている、と理解するのが正しい。外向きの力 のままでは認識不足です。

《向心力… 石を紐で結んで振り回すとき、中心にある手も小さな回転をさせながら 紐を引っ張ることで 石の円運動を成り立たせています。紐を引く手の力を向心力と言います。》

ここで疑問がわきます…

電車の急発進では反動(伝達遅れ)を感じるが、その後が等速直進であれば追加の反動(伝達遅れ)はありません。なのに、等速回転運動をする乗り物に乗ったとき、等速なのに 半径も不変なのに 外向きのを感じ続けるのはなぜか。

これは、向心力は、わずかでも方向が変われば 新しいになるからです。ですから回転している間は伝達遅れも連続して新しく発生しており、感じ続けます。遠心力が別途に存在するのではありません。

遠心力の存在理由の最も基本的な思い違いはここにあるようです。向心力は(引力も)ベクトル量ですから、方向や大きさの変化に瞬時に対応します。

《膨らませた風船の口と手を離すと、シュルシュルと飛び回り落ちてしまいます。このときの空気には方向とに明確な変化があり、ベクトル量と呼びます。ベクトルは日本語で矢印と言います、このHPで使っている矢印です。
風船をふくらませるときの息の注入では全体が同時に大きくなります、特定の方向や、場所によるの違いはありません。スカラー量と呼びます。》

反動を慣性力と見ても、法線の外向きに作用するるではありません。向心力の 内向きに引きずられる荷物のような抵抗です、静止するです。
《法線…円の中心を通る直線》

さらに…『ハンマー投げは遠心力を利用している』、これも思い違いです。紐による石回しも同じですが、手を緩めても石は法線の外方向に飛んでいきません、接線方向に飛び去ります、緩めた手から紐はスルスルと出ていきますが、『だから石も法線外向きに飛び去る』と、単純な思い違いをしています。

ハンマー投げは、接線速度を上げて、それを円に留めるために向心力も上げる。最後に向心力だけをゼロにして接線速度を開放します。

う一方の 回転の接線方向においては、起動時に1回だけ反動を感じます、その後が一定の回転速度であれば追加の反動はありません。

心力は実在するではありませんから、現実世界の自然現象に充てがう使用はできません。『系分けすれば存在有り』と思ってはいけません。回転座標系は便利な説明法ですが、そこにさえ遠心力は存在しません。現実の逆を作るので解ける事象が解けなくなります。誤った論法に気付かなくなります。

遠心分離機や脱水機は?…

回転する物が流体である場合を考えます。流体とは、液体、少し大きければ穀物など、最大に大きいものは銀河中心のバルジにある恒星群でしょう。

流体をなにかに入れて回転すると、向心力は 器によって中心へ押すとなります。流体が混ざりながら順次押されると、軽い物質ほど大きく動かされて、重い物質ほど外側に残ります。
 

一般に、の作用を受けると まず軽い物体から動かされます。モミ米とモミ殻を混ぜて皿に入れ、ふー、と吹きますと、軽いモミ殻が先に(最初に)吹き飛ばされていきます。

遠心分離機の機能や作用を言うのは、、動かされやすい軽い物体のほうをさしおいて、重い物体が外側へ動いた、としています。

遠心分離機ではなくて、向心分離機と言うのが正しい表現でしょう。

また、回転する入れ物に穴が空いていれば、その部分だけ向心力が伝わりません、よって回転の接線速度の方向へ動いてしまい、器の外へ滲み出ていきます。吹き飛んではいません。
…脱水機の機能です。

これらを遠心力(外向きの)の作用だ、とするのは、遠心力の有無と理論の両方で間違っています。

天体の周回運動…

球と月は共通重心を周回しながら 互いに自由落下をしています。周回中の自由落下では、何かに引っ張られることも、押されることも ありません、重量すら ありません。

当然のことに 遠心力や反動や慣性力の出番はありません。伝達遅れも起こりません。

《共通重心…先ほどの石回しに於いて、石の回転の中心と 手の小さな回転の中心は 同時に同じ中心を共有しています、これのことです。》

《自由落下…  水平に弾丸を発射すると 遠くに飛んでいきますが やがて地上に落ちてしまいます、もっともっと速い弾丸であれば 落ちながら地球を一周して自分の後ろから戻って来ます。子供への説明として有名ですが、そのときの落下を自由落下といいます。公転運動の唯一の正しい説明ですね。》

引力作用が地表と宇宙では大違い

・地表では物体は静止が基準で 重さで落下します。
落下は引力の作用です。

・宇宙では物体は落下中が基準で重さはありません。
全てが無重量なので引力の作用を別途に言うことができません。
引力をどのように表現するかが大きな問題です。

回運動の接線方向を向いている直線慣性速度と引力の自由落下速度が合体して誕生する角速度で対処するのが最も良策ではないでしょうか。(「11・引力と向心力と角速度」に詳細があります)

《増減や方向変更する速度は加速度と言い、と同義です。円周を進む速度(正確には加速度)を特に角速度と言います。》

『ISSは引力と遠心力が均等している』とするのは、遠心力で自由落下を止めてしまう意味になります。存在自体が誤っている遠心力ですから 使うごとに間違いが増えていきます。

学習現場に限らず、遠心力を使っての説明は、子供たちの将来を摘み取る行為となります。…もはや とてつもなく 手遅れかも知れませんが…

つり合う関係の引力認識が不毛の状態になっているのでは… 惑星や衛星の公転、潮汐、月の同期、ロッシュ限界の説明、銀河の腕・渦、ダークマター、などなど。

たとえば、潮汐の原因だ としている(遠心力 不参加、参加は論外) 月の引力による地球や海水の変形とは、地球と月がつり合っていなくて 互いの引力で接近しつつあるときの状態です。

今や、日本では あらゆる円運動と遠心力がセットで語られています。これは 引力を どう考えるか にも通じていて、あげく 宇宙の事象の認識に問題が生じて、天体や宇宙物質の運動が解けなくなったり、正しくない方向に行ってしまうのではないでしょうか…


追記

回すバケツの水は なぜ こぼれ落ちない?

上下に回すバケツの水の接線速度をバケツの底が 内側に曲げています、 底が水に与えているが向心力です。十分に大きい接線速度であれば 向心力との合力で生まれた角速度も重力より大きいとなります、 よって 真上に来ても角速度(周回しょうとする)が引力に負けることはありません。

水平で回すとき、上へのは加えていないのに バケツや水が下へ落ちないのも同じことです。

よく言われている バケツの水の解決法…

バケツが真上にあるとき、引力は下向きで、向心力も下向きで、接線速度はそれらと直角の横向きだから 上下のに無関係となっている、ここは遠心力で解決してもいいことにしよう。


この設問に どう答えますか?

水を少し入れたバケツを、ターンテーブルに乗せて勢いよく回します。向心力は中心に向かいますが、水は真ん中に集まって水柱! とはならず、バケツの周囲に張り付いてしまいます。
なぜ? もちろん遠心力の仕業ではありません。

答え・コピペしてどうぞ→ 普通に、向心力よりも 接線速度のほうが 大きさで遥かに勝ります。バケツの回転は、側と底から中へ 水自身が伝えていきます。バケツ上部の水に側の速い回転速度が伝われば、中へ伝わるほど接線速度だけが大きすぎます。そのため上部の水は 接線速度の方向へ移動してしまいます。底から伝わる水は適正に近いので移動が起こりません。<詳細図が11の4にあります>

最後にもうひとつ…

体重は極地と比べて赤道辺りで約300gくらい軽くなる。なぜ?
もちろん 遠心力が外向き(上空方向)に働くのではありません。

答え・コピペしてどうぞ→ 地表にある物体は、自転の接線速度が引力に引かれることで 自由落下をしています。地に付いたままの落下ですから自覚はありません。「1秒間で463m進んで 3.3 cm落ちています」その僅かな落下分ほど軽くなります。

   2018.5.6 


追記2 (田舎者の一人言です。)

NHKのテレビでしたか、宇宙物理関連の番組を見ていたのですが、その中で、、

日本の大学で十分な専門課程を修得した若者が米国の大学へ留学しました。さる教授のゼミに参加していましたが、しばらくして教授から「あなたは日本に帰りなさい」と言われ帰国したことを番組で見ました。

もし、その教授の教えることと畑が違うのであれば、「帰れ」とは言わずに「然るべき教室を紹介」してくれたハズです。

番組では理由を伝えませんでしたが、個人的に思いますに、若者はゼミの学生に、遠心力や観測の系分けやあの理論の世界を熱っぽく話したのではないでしょうか。

教授は自分の生徒がそちらに感化されてしまうのを危惧した、と、私には思えます。

ニュートンが万有引力を唱えて約300年です、その約200年後にアインシュタインのあの理論が出現しました。

その理論は賛否が別れており、世界の大多数は否の方となっています。アインシュタインはノーベル賞を受賞していますが、受賞の対象は光とエネルギーについてであり、あの理論ではありません。

あれは、あの理論は、アインシュタイン流のエンターテイメントであったのかも… 長い舌を出している写真があり、その意味やいきさつを私は知りませんが、ナチスドイツから逃れた彼は「楽しむ人生」をより大切にしたかったのではないかと、私には思えてしまいます。

遠心力、ダランベールの定理、等価原理、あの理論、、、日本においてはあの理論が 宇宙物理の守護神のごとくの存在となっているようです。多様性を好まない日本の国民性ゆえ 排他的とも見える一色に染まっているようです。

おかげで 運動や作用における力学の思考拠点がまったく定まらなくなってしまい、かえって混乱と誤解を撒き散らしているだけと思えます

諸外国にも遠心力を用いて、或いは 引き合による変形で 潮汐などを解決しようとする先生はいます。日本はこれを正す側にありたいものですが、そうはなっておらず、一緒になって迷走しているようです。

日本の大学の世界順位が思わしくありません。これらのことが 好ましからざる一面と諸外国から見られている…ということではないでしょうか。<※文末のリンクでお確かめください>

物理に限らず 一般論とは、大学で何を教わったかに 起因します、つまるところ 一般論を見れば 大学が何を教えているかが透けて見えているということでしょう。

学識者の世界に限らず、協会、競技界、政界、などでさえ 序列や派閥で固められた世界です。若者はこれを一歩一歩 登って行くのですが、学問の中身だけは自由でありたいものです。そこにこそ素晴らしい未来がありそうです。

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