15・月の自転と公転 なぜ同期

自転と公転、なぜ同期(一致)する


球も月も宇宙に浮いた状態で存在しています、その月が地球に引き寄せられないのは、引力と遠心力が均等しているからではありません。遠心力は実在しません。

月が地球に落ちてこないのは、両者間の距離に合致した 極めて正確な周回速度(角速度)を月が守っているからです。引力は角速度に生まれ変わっています。

正確な周回速度は、月の公転の内側と外側で、当然ですが異なります。Bと比べて Aは2m/秒ほど高速で、Cは2m/秒ほど低速となっています。この速度差が周回する月に作用しています。

  

これは1時間で7km、1日で168kmの差がでます。月は構成物が固体なので変形はしませんので結果的に右回転の力が作用していることになります。ですが…

陽系で観測の可能な径の大きい23衛星は公転と自転が同期しています(2004年天文年鑑)、おそらく全ての衛星は同期しているものと思われます。

月も同様で左公転左自転1回ずつの要27日が同期のタイミングとなっています。

この同期に向かう力(仮に『公転自転同期の作用』とさせてください)は、右回りに働き続ける「公転速度差の作用」(上記説明のこと)を上回っているのでしょう。

同期とは親天体に常に同じ面を向けているということでもありすが、月の重い部分や出っ張りが地球の引力に引かれて地球側に移動しそのままになっているということではありませんね。

《《 理科の問題とすれば、月には重心がひとつだけあって そこに力点と支点と作用点が重なって地球の引力に対応することになります、重心以外の所にそれらが位置すればいろいろな動きが起こりますがすべては一点にあります、ですからそういう意味での回転はできません、同じく変形もできませんね。》月と地球は宇宙に浮いて つり合っていますから現状では引き合う力さえも無力になっています。》

に働く角速度の違いをふまえて、公転する様子を図にしました。 月が自転していないとすると、紫は位置を保ちながら1、2、3 と進みます。

  

場所によって異なる角速度は 1、22、33 と移動しています。すると、2、3 の場所は持っている角速度を持ち替えしなくてはなりません。月に働く地球の引力はすべて角速度になっています、さらに、その力は月の重心(質点)の 1点に働くだけではありませんから。

月が自転せずに周回だけすれば、すべての場所の大きさの異なる角速度が月を1回転します。月が同期して1自転しながら周回すれば、大きさの異なる角速度は 月に対して0回転となります

運動量は少ない方へ移るのが自然の理です。角速度が 方向変更かつ大小する作用よりも、月をわずかに回転させるほうの運動量が小さいのでしょう。それが幾年か積み重なると同期時間で1自転という速さになるのでしょう。

また、「公転速度差の作用」は内側と外側で働くも中間でゼロです。「公転自転同期の作用」は全体に働くので、こちらの作用が勝るのでしょう。

月が前もって高速で自転していたのであれば、それを遅い動きに修正するであろうと理解することも同様です。

「公転自転同期の作用」は公転する天体全般で起きていて、自転が特別な起動理由を持たなければ、小さい方の天体の同期は避けられない動きとなるのでしょう。
※大きい方の親天体がどうなるかは 35で…。


連携する銀河が自転を始める

銀河同士が周回し合えば、同期そのものが全体自転の始まりとなります。加えて「公転速度差の作用」も起こりますから、周辺部において腕の伸び出し作用が考えられます。

   2011.1.10 


<追記>
自転と公転の同期は、意外と理解されていないようです。天体の観測技術が高度なレベルに達しないと、月以外の衛星や小天体の自転の動きは観測できなかった からでしょう。

そのせいで、月の同期も取り立てて問題にされなかったのでしょう。専門家には同期が常識であっても、一般人には「月は自転していない」が信じられていたようです。

しかし専門家にも同期の原因が分からなかったので、「月は自転していない」を正すことができなかった。だからほっぽっていた。これが真相でしょう。

現在でもその原因は明らかにされておらず、「角運動量保存説」や「起き上がりダルマ説」や「月変形説」や「潮汐力によるロック説」や「自転していない説」などがネットで飛び交っています。

お子様向けの現状理解の方法として、これを お試しくださ。

1.お母さんとお子さんが両手を取り合って立ちます。

2.そのまま子供は横歩きでお母さんを回ります。

3.お母さんは位置を変えずに足踏みで子供に添って自転します。

4.両者は常に正面で向き合って顔を見ています。

5.でも、両者が見る部屋の風景は変化します。

6.部屋の風景が変わるのはなぜでしょうか。

とりあえず「自転していない説」だけは誤りだと お子さんに理解してもらうことです。

たような出来事が太陽と地球にもあります。地球の1回転は24時間-4分=23時間56分が正解で、これは恒星時間といいます。地球の正午(太陽の南中)は太陽を周回するに連れて1年で地球を1周しています、よってその分の減算が必要、が理由ですね。同期と同じ加算されたカレンダーになっているのですね。


<追記 2>
アポロの月探査隊が月面で頻繁に起こる小さな地震を観測しています。 <※リンク>月面の地震について

月は地球への公転に自転が同期していますが、太陽を地球と共に公転する365日に月が同期しようとすれば、地球への27日ぶんの同期が損なわれることになります。

ですが月にとって、地球からの作用が遥かに大きいため、太陽からの作用は微地震の原因とはならないでしょう。

考えられるのは、地球が月に及ぼす、公転自転同期の作用と公転速度差の作用のせめぎあいではないでしょうか。

月に多量の水はありません、マグマもありません、公転速度差の作用が月表面の砂礫や岩石に作用しても動くことはありません、しかし 反対回りの公転自転同期の作用と喧嘩して、目に見えないほど小さいブレが起きているのではないでしょうか。

土星の衛星イオの噴火は有名ですが、親惑星が木星や土星のように巨大であれば、その衛星が受ける作用の喧嘩も強大ですから噴火の原因になるかもしれません。


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