疑問が残る太陽系の誕生理論
「惑星と衛星の誕生は太古の昔、原始太陽を中心とする巨大なガスの雲が回転を始め、内側の水星から順に出来た」といいます。
NASAでしたか「このガス雲は全体が同一方向に回転していただけではなく、惑星が形成された場所場所で方向の異なる個別の小さい回転も生じていた」との説をかつて発表しましたがどうなのでしょうか?
すこし考えてみるだけでも納得のいかないところがいくつも生じて、気になります。 たとえば……
太陽ができる以前に何らかの原因でガス雲は回転を始めたとあります。
しかし太陽が形成されるにはガス雲が回転をしていないほうが話が合うでしょう。回転速度が大きければ長い時間において軌道に残り、回転速度が小さいほど短い時間で落下してゆきます。 ガス雲が回転をしたのでは太陽は成長しにくくなる、あるいは成長などしないことになると思えます。
惑星よりも太陽の形成が先にあり、その小さな原始太陽に引かれて回り込みながら物質が太陽に近づく場合に、位置によって速さの違いが生じるのだろうか?
たとえば地球の位置では速い公転速度のため軌道に残り、地球と火星の間の位置ではそれが遅かった… … こんなことは起こらないでしょう。
ですが、ひとつのガス雲から、太陽と惑星が出来るためには、ガス雲自身の中に速度の異なる部分が混在していた、または全体の速度が時とともに変化した、のどちらかであることになります。
ガス雲の中心に物質が集まり太陽が形成されたくらいですから、太陽が出来れば中心の引力はますます強くなりますので、原始惑星やガス雲は更に、または新たに落下に傾きます。つまり惑星は出来ません。よって原始太陽が出来る前と後でガス雲の速度が変化したと考えなくてはなりません。
太陽ができる前にしても、出来かけた頃にしても、ガス雲が回転をはじめた原因は何でしょうか?形成中の太陽だけが自転を始めてもガス雲にそれが伝わるはずもありません。
どちらであるにしても、そこで育った惑星が太陽の引力と丁度つり合う速度を得るに至ったガス雲の公転速度と速度変化の説明をどうするのでしょうか。
その回転(周回)ですが、中心になにか重量体が存在して、それを中心にして物質が右回り左回りおのおの勝っての傾斜角で回る事は起こるかもしれませんが、すべてが同一方向で回る現象や、重量体が存在しないうちから全体が同一方向で平行に回り始めるなどの現象は果たしてありうるのでしょうか。
ガス雲からの誕生説を解りやすくするため少々縮小して表現しますが、太陽の直径を109o(ソフトボール大)とすると、一番内側の水星までの距離は約4m。この半径の球体の内側に太陽の全物質が最初から存在していたことになります。
いっぽう一例として土星(公転半径112m)は、木星(公転半径61m)と天王星(公転 半径225m)の間(225−61=164mの幅がある)にあり、その半分が土星形成の原資エリアとしても82mで、これを直径とする面積の、さらに半径112mのドーナッツ型の体積原資があります。
太陽形成のための物質空間があまりにも小さすぎるのでは…。適当に太陽に落下し適当に惑星になった、なんてアリエナイでしょう。
蛇足ですが、『宇宙を漂う岩石は太陽に落ち込むが、ホコリやカスミなどは軽すぎて太陽に吸収されず宇宙空間残る…』などということは起こりません。
100トンの岩は大きい静止慣性を有しますが働く引力も大きくなります、これが落下をするのであれば、同じ場所にある小さい静止慣性を有する1/10000グラムのホコリも小さい引力で落下することとなります。もし、つり合えば、重い軽いを問わず同じ周回速度でつり合います。
ホコリは100トンもの固まりになってもホコリです、岩石にはなれません。それ以前に、ホコリ同士の引力くらいでは落下の速度(あるいは公転に近い速度)が邪魔をするため固まりを形成することはできないでしょう…。
太陽が近くに存在していては、その強大な引力が邪魔をして惑星などいかなる天体の形成もなりゆかないのでは…。近辺に自身が存在するだけという一国一城の主であることが必要なのでは…太陽の形成のごとく。
ガス雲の場所場所で方向の異なる個別の小さい渦巻きが生じていて、そこから惑星と衛星が誕生した」説にしても、円盤面は元の面に沿うか同じとするのが妥当であり、どうして渦巻き角度(後に自転)がおのおの雑多になったのでしょうか。
同じく「…個別の小さい渦巻き…」で、現在の衛星のうち、木星の衛星の公転は左回り15、右回り46、土星は左24右7、天王星は左15右6、海王星は左9右2となっております(2004年天文年鑑)、これはどういうことなのでしょうか。
小惑星帯が存在するのも話が合いませんね。その内側(火星ほか)と、外側(木星ほか)で惑星が形成されたのなら、なぜここで惑星が形成されないのでしょうか。
ここの惑星が流星による衝突飛散で小惑星になったとしてもその後の時間はたっぷりあったハズでしょうに。言い換えると小惑星帯が惑星を形成しないのなら、ほかの惑星も形成される理由がないように思えます。
「星間ガス雲から誕生した」の説は…
『惑星が全部左回り公転をしているのがそれらしい。』
『惑星がほぼ黄道面に沿った公転をしているのがそれらしい。』
『惑星の衛星が同じ面を親惑星に向けているのがそれらしい。』
『木星以遠の4惑星はほぼ流体の構造であることがそれらしい。』
などを指しているのでしょう。 多くの説は、太陽と惑星は同じ「胎から」としていますが、はたしてそうなのでしょうか、この説には無理や違和感がないでしょか。
多くの科学図書にもそのような図がのっています。しかし太陽系誕生のシナリオは別のごく普通の出来事にあるのではないでしょうか。
2008.2.3
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