34・地球など惑星の公転はなぜ左回り

太陽系の各惑星は、黄道面の北側から見ると、或いは天の北極側から見て、全部左回りの公転をしています。…これら

惑星の公転はなぜ左回り

天の川銀河における太陽系の位置と動きを確認します。わかりやすくするため黄道の北側を上と考えることにします。銀河の北極も上にあります。銀河の北側から眺めると、銀河は右回りをしていますので、腕は左回りに流れています。

銀河の直径は約10万光年あり、中心部分のふくらみをバルジといい、太陽系は中心から70%外(50%〜70%まで説あり)に存在しており、中心から約3.5万光年離れています。

地球から見て銀河の中心のバルジの辺りに射手座があります。さらにバルジの中心辺りに星雲のM8があり、その近くを黄道が横切っていることが星座表で分かります。

銀河の赤道面は天の赤道面(地球の自転面)と62.5度(60.2とも)の角度差があります。天の赤道面は黄道面と23.4度の開きがあります。

黄道と天の赤道面の23.4度の角度差は銀河面に対し単純な加減変化とはなりませんが、黄道面と銀河面の見かけの角度差は概ね62.5度のままとして、また話は数字に重要な意味を含みませんので仮に62.5度として進めます。

銀河は約2億年(2.5億年とも)で 1自転しています。その速度は270km/秒(1周2.5億年)とも350km/秒(1周2億年)ともいわれています。

これらをまとめて概略図をつくりました。銀河の直径をたとえば100kmとすると太陽系は直径1.25mm(冥王星まで)くらいですので銀河がいかに巨大であるか想像できます。図は太陽系をずっと拡大して記入しています。


一般に渦巻き銀河は2本の腕があり、全体の回転によりその腕が何重にも絡み(3重以下)、直径も大きくなり、いわゆる成長をするといわれます。十分に時間が過ぎるとそのハローに子供が出来るとさえいわれています。

だとすると何十億年か前の太陽は現在よりももっとバルジに近いところに存在していたと思われます。何十億年かかけてバルジの脇を何回も回りながら外側に出てきたことになります。

太陽は銀河の腕に添って回りながら外に移動していますから、外向き方向の速度と、銀河全体の回転から腕の伸び出しを引いた右回りの速度を持っています。

一方、超新星の爆発により生じたダスト(各種金属や水や岩石など、もちろん大小の天体もある)は一旦は八方へ飛散しますが、銀河の中心にある(星密度の濃い)バルジの扁平による「銀河の赤道面に揃える作用」を受け、両面の上空から赤道面に落下してきます。
(<37→土星の輪はなぜ薄いのか>をご覧ください)

太陽が銀河の南側(図における下側)よりダストの襲来をうけ、そのうち前方に落下するものだけを惑星として捕捉したのなら すべて左回りとなります。(なぜ前なのかは<33→衛星の公転はなぜ左回り>をご覧ください)

未来の惑星は南側から、太陽の進行方向の前に近づいて来たのでしょう。その落下の角度が62.5度だったのではないでしょうか。

もし落下が北側からであったり、異なる角度の落下であったなれば、左回り・右回りや黄道面傾斜はそれぞれで異なることになります。

黄道面が銀河のほぼ真中を向いてていることが逆にこの推理のなによりの証拠となっているのでは……


追記 
<37・土星の輪はなぜ薄いのか>を思えば、62.5度の傾きについては、かつての太陽の扁平による作用で、太陽の赤道面に揃えられた可能性もあるのですが、一番近くを回っている水星は直径も小さく、その作用を最大に受けるにもかかわらず、軌道傾斜角が惑星中最大の7度であることから、たぶん太陽は当初より真の球体を維持し続けていて、赤道面に揃える作用は存在していないでしょう。

前の<31・惑星誕生の道のり>において、黄道面の厚さが薄くなる原因について書いていますが、これは黄道面が大幅角度変更されるという意味ではありません。

   2008.2.7 

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