43・太陽の内部と表面 <コロナは何、粒状斑は何>


どうなっているのだろう太陽。



太陽は全体がガス体で、構成物質の形態はプラズマ(原子核と電子が分離し混合している状態)であり、その膨大な熱と光(電磁波)は中心部で起こっている核融合反応のエネルギーによるものだろうといわれています。

でも疑問に思えることがいくつかあります。


なぜ黒点は黒いのだろうか。

中心部で起こる核融合反応で生じるニュートリノとガンマ線(最も高いポテンシャルを有する電磁波)のうちガンマ線が太陽光の根源であるのなら、プロミネンスの噴出で粒状斑が吹き飛ばされ太陽表面に穴が開いたその場所はプラズマがより明るく輝いて見えるはずです。

中心部から外側に出るのにたとえ数十万年(1千万年とも)かかるとしてもです(わずかずつでも中に留まるとすればとっくに太陽は爆発でもしているでしょう)。しかし実際は黒点といわれるように暗い(黒い)のですから「太陽の主たる発光源がその中心部にある」とはなっていないようにおもえます。

あんなに明るい太陽ですから黒点の位置に何かあるのなら見えるはずです。見えない理由は2つだけです、何も無いか、可視光線を出していないか、です。暗い明る過ぎるや、温度の低い高い、が理由ではありません。

暗い(黒い)のは、可視光線を出していないからだと理解できます。つまり太陽の中身はプラズマではないのではと… また、光が反射するのは元素周回電子に光が反射するからですが、ひょとして完全な電離元素となっているので反射もできないのでは…。

中心部で核融合反応があるとして、そこで発生するエネルギーから光が生成できないような構造になっている… つまり太陽の中心部には電子が存在していないのでは… プラズマとなっていないのでは… 周回電子がいなければ、電子の振動によって作り出される光も発生しませんね。

<参考>電子全部が電離した状態が完全電離元素です、ここでは『電離元素』と書きます。中途に電離している場合を『イオン元素』或は『普通元素』と書きます。単独浮遊している電子は『自由電子』とし、イオン元素と自由電子が混在する状態を『プラズマ』と書きます。


熱気球の半径。

大きさを水素の原子構造で例えると、水素原子の中心の陽子1個を米粒1つとすると電子の回る大きさは直径20mの熱気球くらいになります。もし鉄であれば熱気球の中心に米56粒の塊があることになります。

熱気球がびっしり密集すると固体を形成するのですが、物質とはいかにも空間ばかりが目立つ構造なんですね(古いなァ)。

これが加熱されると熱気球はじっとしておらず盛んに動き回り液体や気体となります。太陽ほどの高温になると電子は中心の原子核の動きに追従できなくなり電離して電離元素と自由電子とになります。

太陽の中心部ではさらに超高圧であるため先の熱気球の範囲内に電離元素が数個(100個以上の説もあります)も存在することになります、電離した裸の元素なので可能となります。加えて高温なので猛烈に動き回るためひっきりなしのぶつかり合いを伴います。

このとき自由電子はかつての熱気球の内側に相当してしまう距離に存在することが出来るのでしょうか。

電離元素同士はぶつかっても電荷がプラス同士ですから厳密な意味での接触にはなりません、しかし電子が電離元素に見境もなく近づけば即座に引き合いショートみたいなことになってしまいます。電子は熱気球の内側には入って行けないとなれば、熱気球の密度を大きく超える太陽の中心部で電子は存在できないということになりませんか。

太陽は深い内部の芯を核、次を輻射層、次を対流層、観測できる表面を光球と言っていますが、核や輻射層といった中心部に電子は存在せず、熱気球の密度を下回る位置になって初めて電離元素と自由電子は混在することになるのでは…対流層の辺りがその位置となるのでは…。

いっぽう核融合反応でニュートリノとガンマ線と熱が発生し、熱は運動量として電離元素に伝わり、そのため電離元素は激しく動き、ぶつかり、跳ね返り、この激しい運動がそのまま外側に伝播していくでしょう。ガンマ線は一部X線になり外側に移動し、最外側にある電子へ伝わりそこから赤外線として宇宙空間へ放出されるのでしょう。

中心部に於いて元素は全ての電子を脱ぎ捨てた電離の元素であればこそ核融合反が可能になるとおもいます。核融合反応でガンマ線が生じますが、軌道電子の居ない場所での発生の仕組みが私には解りません、勉強不足かも知れません。

通論では中心部までイオン元素と自由電子は混在する(プラズマ状態)としていて軌道電子によるガンマ線の発生を可能にしていますが、はたして…。


粒状斑は何だろうか。

プラズマ中に存在する自由電子は熱のため高い運動量を持っていますが、その近くで原子核を周回している場合の電子は周回しているぶん運動量が自由電子より高いことは明白です。

電子は光と同じくらいの速度で動きますから高温による運動をしている原子(大部分はイオン状態でしょうが分かりやすくするため普通元素と呼ばせてください)に伴われている電子が一番に高エネルギーであり、最大の電磁波はここから発せられると思ってよいのではないでしょうか。

太陽を観測して一番明るく見えるところが光球面に無数に浮かんでいる粒状斑であり、これは普通元素の集まっている風船ではなかろうかと思うのです。

水素の電離温度1万度をはじめ多くの元素の電離温度は1万度あたりにあるらしいので(多くは確認していない)、温度が6000度とも8000度とも言われている太陽表面で普通元素が存在できますね。

粒状斑は光球面に露出する部分だけで日本海くらいの大きさで太陽中心方向への長さは地球の直径くらいもありますね、しかしひとつの寿命はわずか10分位といわれます。


粒状斑は光球面に浮かぶ。

粒状斑の中味はすべて普通元素であるとし、外側はすべて電離元素と自由電子であるとして比較を思うと分かりやすいのですが、双方が同じ高温であれば同じ運動量ということですから電離元素・自由電子連合と比べ粒状斑は電子が周回している分体積が大きいので密度が低くなりますね。


粒状斑は地球の海のように一体にならない。

太陽では水素爆弾の炸裂と落雷が同時ひっきりなしに発生しているよなことですから(聞くことができれば さぞやの轟音でしょう)、連続的に大きな振動が起きています(日震学といわれる研究分野で有名)のでこのため粒状斑のような小さい(?)風船に分割されてしまうのでは…


粒状斑は細長く深い。

電離元素は米粒むき出しとなっているため水素だ鉄だといっても陽子中性子であるかぎり比重はまあ同等、例えばご飯を炊くお釜いっぱいの水の中で、米1粒でも56粒の塊であっても沈みかげんに差異は起こらないということなのでしょう、異なる元素でも電離元素ゆえ太陽のあらゆる所で同居できているのでしょう…

普通元素は熱気球という決まった大きさの中に水素(米1粒)、鉄(米56粒)など比重に違いがあるため鉄などの重い元素は太陽の中心へ向かって沈んでゆきますね、このために細長くなるのでは… 沈んでゆく先端に少し強い光が見えます、太陽内部のプラズマに流れ星のごとく勢いよく衝突し普通元素の電子が発光しているのでしょう。


スピキュールが起こる。

粒状斑が細長くなり太陽表面の全ての場所で沈み込みが起こっているため反対に内部の電離元素・自由電子連合と一部のイオン元素が粒状斑の脇に多数の小穴を作り噴水のように勢いよく中からあふれ出ているのでしょう。


光球面のすぐ上で低温となる。

スピキュールで光球面から出てすぐ上に浮遊する電離元素やイオン元素は圧力低下と低温に遭遇し運動が急激にゆるやかになり、辺りでふんだんにたむろしている自由電子を確保し捕まった電子は周回に必要なエネルギーとして近辺から熱を吸収するのでしょう。

日本海ほどの大きさの粒状斑ができるのに数分ですから熱の吸収は急速で多大と思われます。太陽の光球面すぐ上が4000度の言ってみれば低温であるのはこういうことなのではないかと思うのですが…。


粒状斑の光球面側が特に輝く。

上記のごとくとすれば光球面すぐ外側が電子の確保に最もチャンスがある所でしょう、水素は別として例えば鉄であれば定員の26(近く)まで確保してしまうのでしょう。

その後は比重に応じた速度で太陽内部に沈んで行きこちらでは高温のため電離は進むばかりとなっているのでしょう、かくして各元素抱える電子の一番多い光球面側が太陽で一番強い光を発生させる所となっているのでは……

周回電子を確保した瞬間から効率の良い電磁波発生装置となり内部の熱を宇宙空間へ放出することになります、また内部の熱(高温電離元素)はスピキュールによって外に運ばれ循環を助けています、言ってみればラジエーターのような冷却システムになっていると思うのですが……。


コロナの正体は…。

皆既日食のとき観測が可能になるコロナは太陽の直径以上もの厚さで太陽を取り巻きその広い空間は白く輝いていますね。

一般に白く輝いて見えるということは、プリズムで分光すると連続階調の色になっている幅広い虹を示すということですね、水素や酸素や炭素やケイ素や鉄などの普通元素を周回する電子の出す光が合わさっていることを示しています。

コロナの温度は以外に高温で100万度もあるといわれ、仮にそこに何か存在していたとしても電離しているはずですから、自由電子ばかりで普通元素を周回する電子は居ませんね。

コロナを成しているのは大量の自由電子の集まりではないでしょうか… 光球面の粒状斑から発せられた光(これは多種の普通元素を周回する電子が出す光なので白く輝いている)を多量に存在する自由電子がほのかに反射させているのではないでしょうか。


コロナはどこから来たのか。

太陽の中心部において熱気球の半径の内側に入れないウンヌンという先の理由により電離元素と自由電子が居座り合戦をすれば動かされやすいのは軽いほうです。

1800倍をゆうに超える質量の電離元素のほうが居残り自由電子は中心部から退き外側に移動するでしょう。(水素は鉄の1/56なのでここらも気になるかもしれませんが両者は「席を同じゅうせず」の関係ではありませんから同居するでしょう)

太陽内部においてプラズマとして電子も存在できる位置まで来ると自由電子の濃度が増加し、今度は同じ電荷ゆえ自由電子同士がぶつかり跳ね返り相当量がやがて光球の外にまで追いやられてしまうのではないでしょうか。水を含んだ雑巾をギュと絞るようなことなのでしょう。


コロナが高温なのは…。

コロナが100万度の高温になっていることについては、電子は光や赤外線など電磁波の吸収もよくしますし自由電子であれば原子核を周回していないぶん他からエネルギーを受け取る余裕が大きいといえます。

そのエネルギーは太陽表面より外側の制限のない広さの宇宙空間での運動量として幾らでも貯めることができます。コロナの高温は太陽本体から放射されている多量の赤外線など電磁波を貯めに貯め込んでいるからでしょう。

コロナが電子であるなら太陽の極磁気にも影響されると思います。太陽のNSを結ぶ宇宙空間の長大な磁気の輪にコロナの電子は希薄になりながらも乗っかって漂っているのではないでしょうか。

地球でオーロラが輝くのはそれが地球の極地方の大気にぶつかって大気の電子がわずかに光り、太陽からの電子の流れと共に形を変えているのでしょう。

   2009.10.31 

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