50・パルサーの正体は中性子星なのか
   中性子星は実在するか

高速の電波点滅するパルサー…


パルサーという天体があります。電波、光、X線、ガンマ線(すべて電磁波)などを1/100秒〜30秒あたりの間隔で点滅させています。電磁波の生成は天体自身の自転によるものとされ、その直径は数km〜数10kmくらいであろうとされています。

その天体が自転する際に自転軸が僅かにブレる歳差運動が点滅の原因といわれています、ブレの延長上に地球が位置する場合にだけ観測することができるといわれています。

<想定1>そこそこの天体が1秒以内などという超高速で自転すれば赤道あたりでは光速をも超えかねないことになるのでごくごく小さい天体ではないのか、それでも回転による拡散力は強大であり、形を保つためにはそれを上回る引力が必要であろうと考えられましたね。

知る限りにおいてそんな重い元素は見当たらず、考え出されたのが1cm3で数億トンもある中性子星です。中性子なら電荷を持たないので隙間なく集積できるだろう、核燃料ではないので核崩壊も核融合も起こらず安定しているだろうということですね。

<疑問>さっそくの疑問ですが、中性子星は超新星爆発の直後その中心あたりに生じるとされています。陽子も中性子も同じ質量かつ元の元素ではほぼ同量の存在なのになぜ中性子だけが集積するのだろうか?

超新星爆発で中心を目指した中性子があれば途中で裸の元素と衝突するでしょう。元素のほうが重いので中性子は跳ね返されるか吸収されるのでは? また核子の強い結合力を断ち切って中性子だけが中心をめざして抜けて行けるのだろうか?? あぶれた陽子はどうするのだろう? 水素帰りでもするのだろうか?

恒星の中心には核融合反応によって中性子が増えていくという説もありますが、そもそも中性子は放置されると10分あまりで電子を放出して陽子に崩壊してしまうそうです、量でも密度でも中性子星を作れそうな雰囲気にはならないのでは?

宇宙においては1陽子水素が全元素の90%を占めるといいます。それが核融合や超新星爆発で重い元素へと変わっていくとされています、それにつれて原子核に中性子を多く抱えるようになります(鉄の陽子26中性子30など一例)。中性子は不足することはあっても余ることにはなりませんね。中性子星を作る余裕などないのでは?

地球に1〜 92まですべての元素が存在することから見ても地球の物質は複数回の超新星爆発を経験しているはずです。ですが地球において中性子は塊でも分子形態でも単独でも存在してはいません。中性子だけの物質(元素?)なるものが存在しない事実をもってすれば彼の地で存在ありとする発想にはならないのでは?

<想定2>中性子は電気的な性質を持ちません、電子を捕まえておくことをしませんので中性子自身は起電も電磁波も生成しませんね、中性子星に電子があるとすれば、最初に考えられるのはその超強大な引力に捕まっている自由電子でしょう。

<疑問>ですが太陽のコロナにみるように100万度の高温になってもなんの電磁波も発生しません。周囲を取り巻く自由電子だけでは何も伝わってこないでしょう、正確なパルス情報ともならないでしょう。電子にこだわるのは、電波、光、X線、ガンマ線はいずれも元素を周回する電子によって発せられる情報だからですね。(ガンマ線だけは核崩壊や核融合においても生じるといわれているが)

<想定3>電子を持つ鉄やニッケルなどが中性子の塊の中に混ざり合ったり、その外側に降り積っていることも当然にありうることだといいます。

<疑問>強大な重力のため例えば鉄の塊が中性子の塊と衝突すれば、中性子群は鉄の電子の幕を突き抜けてしまいます、鉄は電子との形態が保てなくなるでしょう、どのような形態で混ざり合うのでしょうか?

中性子と裸の鉄の核子が混在可能だとしても、磁気は鉄やニッケルの電子が持っている性質ですから <下にリンクあり※A>起電や電磁波の発生能力はないことになります、どうするのでしょうか?

降り積りが可能であるとして、中性子星は太陽ほどの質量があるといいますから、隕石などが次々と降り注ぐとすれば普通元素として堆積するのでしょうから膨大な体積となります。このパルサーは数秒以内で自転し続けられるでしょうか?

<想定4>強大な自重を有する中性子星は最少の体積をめざせば流体の状態になっているかもしれないといわれています。

<疑問>とすれば圧縮と摩擦による発熱は避けられないでしょう。…恒星の表面温度は最高で5万度といわれています <下にリンクあり※B>、原子核を周回する電子は5万度(6万度?2万度あたりの感じがぬぐえないのですが)を超えての周回はできないようです。

太陽ほどの質量で直径数kmの中性子星が発熱すれば表面といえど5万度以下とは思えません。 当然混在とする鉄なども高温になりますので全て電離してしまいます。電磁波の発生はどうなるのでしょうか?

<想定5>鉄やニッケルの塊は回転するだけでは何も起こらず、ごく近辺に磁気を持った物体があって、それとの兼ね合いで起電され電波が生じると理解しますが…

<疑問>起電に必要な磁界はどこにあるのでしょうか、中性子星だけでは如何ともしがたいのでは?周囲を取り巻く大気に磁気を帯びた鉄元素が存在するのでしょうか?大気の厚さは強大な重力のため1mほどといわれています、厚さは別としても、鉄やニッケルの塵埃が浮かんでいられるだろうか?これが回転の拡散力で可能とするなら、中性子星の地表に存在する鉄元素も浮かんでしまうことになります。

他の天体と連携する構成(公転や連星関係)であったとしても肝心カナメの方が中性子ではパルスの中身である電磁波を生成できないでしょうに?

<推理>高速点滅するパルサーの正体は…
中性子星ではなくて、鉄やニッケルの集合した天体でもなくて、大きさが数百m〜数qの鉄の単体(たったひとつの塊)で解決するのではないでしょうか。

これが親天体のごく近くを速い速度で公転して、かつ高速で自転しているのではないでしょうか。親天体も鉄を多分に含み両者で起電や電磁波発生の仕組みをを形成しているのでは… ダイナモの回転子が外側で回転しているイメージですがこれなら観測されるような強大な電磁波を生成できるように思えます…

公転の周回直径がごく小さいため遠方においては両者がひとつの電波源天体に見えてしまい、また極軸方向でもその小さい周回直径を識別できず一様な電磁波到達エリアとなっているのでしょう。

しかし歳差運動のブレは遠方では距離に比例して大きくなりますから地球でパルスとなって聞こえているのしょう。

その高速自転は似たような大きさの隕石による、あるいは反対回り公転の兄弟衛星による端へのスリップ衝突で起こり、片方の(中心にあった)鉄が崩壊せず残っているのでは…

鉄やニッケルをまとった小さな中性子星が如何にして出来るのかをを考えるよりも、同じくらいの大きさの鉄の単体がどうして出来るのかを考えるほうがはるかに現実的と思いませんか?

   2011.9.18 

<※A>
中性子散乱と磁気の研究

<※B>
恒星のスペクトル分類



50→→ HPへ  →スマホへ