54・銀河の腕はなぜ2本なのか


銀河は物質を集めない、放出している


くの銀河の視覚スペクトルは概ね赤方にずれています、しかも遠方の銀河であるほどずれはより大きくなっています。赤方にずれるとは 遠退く速度が速くなることを意味します。

《これを逆にたどることで、宇宙の初期では全宇宙の物質は極小さい範囲に高濃度に集積していたが、何かのきっかけで爆発的な拡散をした。その後に極所的に集まって銀河となっている、集めすぎた物質は中心にあるBHが吸収している。或いは、密度波なるものが生じて収縮の邪魔をしている、渋滞を発生させている。それが現在の銀河である。》ということになっています。

この銀河形成理論と観測とで合わな事実が2点あります。
 ・銀河の腕の形状を説明できない。
 ・細部赤方偏移の事実に合わない。
の2点です。まず「腕の形状」から…

1・銀河の腕の形が示す事実とは。

状星団というのがあります。NASAがたくさん写真に撮っていて、これが銀河の始まりかもしれない、との発言もありました。私も同じ思いを持っています。勝手な想像ですが下図に示します。
 

河のような超巨大物を動かすには同じ銀河との引力作用をもってするしか手段はありますん。銀河と銀河は意外と接近しており、複数の銀河による連携運動が考えられます。

銀河同士の公転公転自転の同期銀河の潮汐が最も頻繁に発生する運動でしょう。それらの詳細については…
銀河はなぜ動くのか…………『15・月の自転と公転なぜ同期』
銀河はなぜ平たいのか………『37・土星の輪はなぜ薄いのか』
物質は何処から来たのか……『46・太陽で陽子反陽子生成』
宇宙に超巨大銀河は居ない…『52・複雑な銀河の動き』
渦巻銀河が出来る仕組み……『53・銀河の自転と公転と潮汐』
銀河の腕が伸び出す理由……『ここ 54』で
ご覧ください。
 
銀河同士が接近すると、互いに周回を始め、次に同期の作用で自転を始めます。すると自転面と公転面は同一方向の面となります。2回めや3回めの連携で J や K を形作りますが、不幸にも面の角度を違えると腕の渦はくずれていくでしょう(上図右)、時には衝突も…。

 

典型的なよく見られる銀河の形を上図に示します、いずれも数億年〜数十億年かけての動きです。
H・相手を変えていない 少しカーブした直線形。
J・直線だったが次の連携が真横(タテ)から始まった。
K・上記の後に相手が変わり公転方向も逆だった。
L・最も一般的な形。
M・後で90度に近い公転面の相手と何度か連携。

これらの銀河の形を見て思うのですが、銀河に天体や物質が流入するのであれば、「なぜこのような経路をたどって流入するのか」という問題に突き当たります。しかも腕は必ず対象する位置に2本あります。

2・銀河の腕の動きと赤方偏移

河の動きは電磁波(可視光)の赤方偏移(ドップラー効果)によって調べられています。銀河全身の接近や後退、銀河の自転、銀河の腕の速度比較などが分かります。

銀河が半ば水平になる方向から、腕の渦巻の赤方偏移を調べますと、『根元も先端もほぼ同じ』という観測結果となっています。腕の動きはは角運動量保存則に従ってはいないどころか、大きく異なっています。
(腕の動きは角速度ですが略して速度としています)

水平に近い角度で見る銀河の、腕の速度を言うのですが、わかりやすい図にするため、それを真上から見た図にしています。
詳しく調べてみましょう…

A 図は、従来言われている、物質がバルジに向かって落ち込んでいる場合の速度の移り変わりです。観測事実ではありませんが比較のために載せます。青変移が接近で 後退は赤変移となります。 速度は根元が大きく、先端は小です。
 
最外側の腕の物質は小さい慣性速度なので、遠方ゆえの弱い引力でも引き込まれていきます。回り込み落下が進むと速度はどんどん大きくなります。

B 図は、腕がバルジとの半径距離を一定に保って周回する場合です。土星の環の動きと同じです。ソンブレロ銀河が或いは充当しているかもしれません。 速度は内で大きく外が小です。

C 図は、観測されている速度で、 根元も先端も同じ速度です。 腕のどの位置も速度が同じであるとは、物理法則の A や B に反する現象です。根元速度の遅過ぎに対して「落下に渋滞が起きている」と言うのがありますが、これは論拠のない都合だけの話でしょう。。青なら流入ですが、もし黒なら流出です。

3・銀河はどんな動きをするのか

巻銀河の渦が示していることは、物質が螺線方向に動いていることの証しです。次に、「根元も先端もほぼ同じ速度を示す」のですから A図の流入ではないことが分かります。で、あれば、螺線の腕は 「物質が外側に移動ている、流出している」という答えが残ります。

次に、観測される銀河で腕の絡みは3重が最大となっているそうです。腕は2本ありますから、巻数では1.5巻となり、それより先は宇宙へ飛び去っているということでしょう。

こで、動く渦巻銀河には、「公転自転同期の作用」と「銀河潮汐の作(公転速度差の作用)」が働いているとすれば分かりやすくなると思います。

天体が引力連携して周回が始まると、次は公転自転同期の作用が必ず付随します。作用は外側の速度が大きく中心はゼロ、でも銀河は言わば流体なので 剛体のような正確さではないかもしれません。

もうひとつの、銀河潮汐の作用は 流体専用の作用です。中心にあるバルジから離れるに従ってグングン大きくなります。それと 腕全景の面積はバルジより大きいことを加味すれば、潮汐作用のほうが勝るでしょう。
   
同期の作用=C(朱)、 潮汐の作用=E(紫)、観測される速度=E−C=D(黒)で 表示しました。C・E 両者は働く方向が反対向きとなります。全体公転の速度がどこかにあります。

銀河の腕を離れた恒星や物質は宇宙へ飛び去ります。自分の銀河さえ離脱してしまうのですから、広い宇宙空間をどこまでも飛び続けるでしょう。

銀河が大きくなり 外へ放出するのなら、その物質は何処から供給されるのか気になります、詳しくは「46」を御覧ください。

ついでではありますが、冒頭の 《 》 の中のことは、何ひとつ 事実証明されたことではありません。3度Kの黒体輻射を原因とするのも確実性に欠けます。

   2021.5.5 

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